ネットには載ってない各制度のリアルな違い
介護の現場で活躍する外国人材の受入れ方法として、特定技能と技能実習という2つの制度があります。
今回は、母国から直接来日する方々について、それぞれの特徴を見ていきます。
■日本語能力はどのくらい違う?
介護職では、どちらの制度でもN4以上の日本語力が必要です。ただ実際のところ、技能実習生の方が日本語レベルは若干高いと感じています。
理由として考えられるのは、入国前の学習期間の違いです。
特定技能の場合はN4に合格していればOKですが、技能実習では合格に加えて、母国で160時間ほどの日本語講習を受けることになっています。
この学習期間が、実践的な日本語力の差になっているかもしれません。
■介護の知識や技術は?
こちらも技能実習生の方が、基礎知識をしっかり身につけて来日される傾向にあります。
母国語に訳された日本の介護の教科書を使って、介護の基本的な考え方や専門用語をじっくり学んでから来日するためです。
特定技能の場合も介護の試験に合格する必要はありますが、基本的なペーパーテストが中心。実践的な知識という点では、技能実習生の方が一歩リードしているかもしれません。
■定着率は?
特定技能で気になるのが、転籍する方が多いという点です。
民間調査によると、6割以上の方が1年以内に退職されるそうです(日本経済新聞)。
特に地方では、給料の高い都会に移ってしまうケースも少なくありません。
一方、技能実習では基本的に同じ法人で3年間働くことになっています。
ただし、2027年から開始予定の新しい「育成就労制度」では、1~2年経てば転職できるように変わっていく見込みです。
■まとめ
ここでご紹介した以外にも、受入れにかかる費用や、在留できる期間、就労条件など、制度ごとの違いが多くあります。
どちらが良いということではなく、それぞれの特徴をよく理解した上で、施設の状況に合った方法を選んでいくことが大切だと思います。
外国人材の受入れをご検討される際は、ぜひこれらの点を参考にしていただければ幸いです。